ぽんず製造所

当ブログの記事を参考にして行った事により、いかなる不都合が発生としても当方は一切の責任を負いません。全て各自の自己責任でお願いします。

1石お手軽誘導加熱

Twitter上で誘導加熱が流行って(?)いたので自分も作ってみました。

DSC_0014

1石で動作する回路です。
IHクッキングヒーターや炊飯器、電子レンジのインバータなど、わりと身近にある家電に使われてる方式だったりします。

缶に水入れて沸騰させてみました。



電源には24Vの電源装置を使っています。本当はAC100V突っ込みたかったのですが、高耐圧な素子がなくて今のところ24Vで我慢しているところです。


基本的な回路図です。

1石共振

L1が加熱コイル、C1が共振コンデンサ、M1がメインのスイッチング素子です。
回路の簡単さでは自信があります。将来保護機能などの拡張も楽にできるようになっています。

まず、「動作開始」と書いてある電源から一瞬電圧が出力されると、回路が動作し始めます。※一瞬(1usくらい?)じゃないと動作おかしくなるかも。
その先にあるORが1になると、さらにその先の「A」の回路に入力されます。この回路はパルスの立ち上がりエッジを検出する回路で、連続的に1が入力されても一瞬だけ1を出力してくれます。

赤:ORの出力(A回路の入力)
緑:A回路の出力
A回路


Aの回路の先にはSR-FFがあります。Sに1の信号が入力されるのでQが1、そしてMOSFETがONになります。そしてL1に電流が流れ始めます。
この時、MOSFETのドレインの電圧は(理想では)0Vです。ドレインの横にある分圧回路で分圧されたあと、コンパレータに入力されます。
そういえばこの分圧回路はあんまり分圧の意味をなしていません、どちらかと言うと高電圧が入力された場合にはダイオードを通ってクランプされるような動作をします。
話を戻しますと、コンパレータの-には分圧された0V、+に基準用の電圧がかかるのでコンパレータの出力は1となり、ORに入力されます。
今度は「B」の回路を見てみましょう。ORの出力が1のとき、50kΩの抵抗を通ってじわじわと1000pFのコンデンサに充電されていきます。電圧が上がっていき、しばらくするとその先にあるSR-FFの閾値に到達し、Rが1と判定されるのでQが0になり、素子がOFFになります。
つまり50kΩと1000pFの大きさで素子をONしている期間を決定しています。
(ちなみにこの時Aの回路は一瞬だけ1になるのでORの出力が1でもAの出力は0になっています)

赤:ORの出力(B回路の入力)
緑:B回路の出力
B回路


素子がOFFになるとL1の電流も途切れたいところですが、そういうわけにはいかず、かわりにC1へ電流が流れていきます。これでなんとなくL1とC1で共振します。
この時はD電圧は高電圧になってるので、コンパレータは出力0となり、Aの回路もBの回路も出力0なので、SR-FFは変わらず素子はOFFのままです。

L1とC1が共振するとなんかしらんが勢いで勝手にドレイン電圧が0Vまで戻ってくる点があります。
この0Vになった瞬間、コンパレータが1となり、SR-FFが1、そしてMOSFETがONになります。
このようにして発振が続いていきます。

そして注目してもらいたいのが素子のON/OFF時のドレイン電圧です。
ターンオフ時はC1に充電される時間があるため、いきなりドレイン電圧が上がることはなく、0Vから徐々に電圧が上がっていきます。その後、共振で0Vまで戻ってきます。今度はこの点で素子をONにします。
要するにうまいことZVS動作をしていて素子のスイッチング損失がほとんどゼロにできるんです。考えた人頭いいですよね...

赤:ドレイン電圧
緑:ゲート電圧
zvs


「動作開始」は一瞬電圧を出力します。こいつがないと発振が開始しません。
コンパレータの基準用電源はZVSタイミングの調整と、MOSFETのRdsやIGBTのVce_Satの対策みたいなものです。
分圧後のコンパレータへの入力なんですが、寄生容量のせいでなんか遅れ気味になっちゃうみたいです...。自分のやつはこれが逆にいい感じの動作をしてくれててZVSタイミングを調整できます。でも寄生容量利用するとか気持ちわりぃよね

素子のON時間の設定はBの回路の抵抗値で調整できるのでここを半固定抵抗またはボリュームにして出力の調整をすることが出来ます。B回路の後ろにコンパレータくっつけても良いかもしれません。
ただしあんまりON時間を短くしすぎると周波数が高くなったり、電流があまり流れなくなってドレイン電圧が0Vまで戻ってこなくて発振が止まっちゃったりするので注意です。

また、上記の回路はすごく基本的な部分だけの回路図なので何の機能もついていません。過電圧・過電流検出回路をつけたり、動作/停止の制御もできると良いかもしれませんね。
あと回路図上ではゲートドライバも省略してるので実際作る時は付けましょう。


自分は上記の制御回路をPICマイコン内に組み込んで簡単に仕上げました。IH本体の回路は中でロジック回路組むモジュールとコンパレータと周辺回路で完結してるので、マイコン的お仕事は動作開始のパルスを出すことしかしていません。

DSC_0012


この回路はZVS動作できるのが良いところですが、自分のは発熱が結構あるのでうまくZVS出来てないのかもしれないです。オシロで見た感じはまぁZVSどうなになってる気がするんですけどねぇ...。ON抵抗で普通に発熱してるだけかもしれないです。わかんないです。

黃:ゲート
青:D電圧
紫:D電流

077

なんか電流波形がひどいね
とりあえず簡単に作れたので満足しています。




===追記===
回路いじってたらもうちょっと簡単にできました。
基本構造は同じです。試作してないのでわかりませんが動きそうな気がします。
OR(A1)の後ろ~バッファ(A2)の間の部分で、立ち上がりエッジ検出とON時間のタイマーを兼ねました。真ん中の10kΩの抵抗(R2)を調整すれば出力可変(ON時間可変)できるはずです。
RS-FFが消えたのは大きいと思います。マイコンに組んだとしても外付け部品が少なくなるのは嬉しいことです。

キャプチャ

ふぇぇずしふと

1ヶ月くらい前のことですが、フェイズシフトフルブリッジ回路の実験をしてみました。
フェイズシフトフルブリッジというのは、フルブリッジ回路のアームごとの位相をずらして出力を可変できるというものです。

1


アームの位相が同じならば負荷に電流は流れません。

2


半分ずれた時は負荷には少しの期間だけ電流が流れます。

3


完全にずれた状態、つまり普通のフルブリッジの状態では常に電流が流れます。

4

出力可変ならPWMかなんかでやればいいじゃんと思われるかもしれませんが、フェイズシフトならデューティー比を50%固定で出力可変できるので、GDTなどPWMに向いていない回路で使用できます。
あとスイッチング損失を低減できたりするみたいです。



実験風景 きたない

DSC_2066

自分がこんな回路の実験するのはもちろんテスラコイルを作るためなのでほぼテスラコイルと同じような回路構成となっています。
適当なLとCで共振回路を組み、フルブリッジで駆動します。CTで共振電流をフィードバックして動かすようになっています。


波形です。
黄色と水色が各アームの出力(というかこれはゲート波形だけど)、ピンク色が電流波形です。

これは出力小=位相がほぼ同じ時の波形です。
位相が若干ずれてる程度で電流もそれほど流れていないのがわかります。

877


そしてこちらが出力最大=位相を完全にずらした時です。
電流が先程よりかなり流れてますね。

229


そんでもって全期間?を見た波形。
黄色に対して水色がずれてるのがわかります。電流値も小~大までありますね。

391


全体図。電流値を徐々に大きくしています。

278


んでもってQCW用の波形にしてみました。若干回路の調子が悪いです...

841

でもまぁいい感じですね。
で、なんとなくこのままテスラの1次を駆動してみたら...

DFezineV0AAOsNQ

放電出ちゃった....

テスラコイルでけものフレンズの曲を演奏した

最近記事のネタもないし、紹介を忘れていた(?)動画のことでも書こうと思います。


随分前のことですが、けものフレンズOP曲の「ようこそジャパリパークへ」をテスラコイルで演奏しました。



本来NT京都の宣伝用に作った動画です。
のほほーんと適当に投稿したらけもフレブームに乗ったようでなんかメチャクチャ伸びてしまいました...こんなことならもうちょっとちゃんと作っておけばよかった...
MIDIはわいえすさんの【MIDI】ようこそジャパリパークへ(けものフレンズOP)を耳コピしてみたです。ありがとうございます。


その後セルリアンの曲も投稿してみました。



今回は前回の反省点を活かすとともに動画の最後の部分でちょっとしたテスラコイルの紹介を入れてみました。
この動画ではテスラを2本用意し、片方は普通のSSTCでメロディー、もう片方はQCWでドラム音という動作をさせています。
最後のしんざきおにいさんの曲ではQCWのほうにメロディーをやってもらい、放電に触るときだけQCWで手に放電を伸ばしてきてもらおうとか考えてたら普通の放電にあたってびっくりしました(池沼)
演奏データ作成は白河しらさんです。白河しらさんのファミコン実機音源で、けものフレンズのBGMを演奏 すごーい編を見てこれダッと思い直接お願いしてデータ頂いてしまいました...ホントすいません。ありがとうございます。

そうそう、ねとらぼさんでも取り上げてくれました。
テスラコイルの放電音で演奏する「セルリアンのテーマ」に驚きの声 これがセンボルトペンギンか…… - ねとらぼ
あと
週刊ニコニコランキング #513 -3月第1週-でジャパリパークを、
週刊ニコニコランキング #523 -5月第3週- 修正版(なんか削除されてて見れない)でセルリアンを取り上げてもらえました。
うれしいです。ご視聴ありがとうございます。

EMP缶クラッシャー

久しぶりにオイルコンデンサを引っ張り出してきたので、EMP缶クラッシャーやってみました。

EMP缶クラッシャーとは、空き缶にコイルを巻き、コイルに大電流を流すと缶が変形するというもの。アルミ缶には誘導電流が流れお互いに反発しあって缶がへこみます。海外勢なんかのすごいやつなんかはその力でアルミ缶を真っ二つにしてますね。
EMPはElectroMagnetic Pulseの略で日本語だと電磁パルスになります。

缶クラの回路構成はレールガンやコイルガンとほとんど同じで、コンデンサに電荷を貯めておいて大電流を瞬間的にコイルに流すようにします。
しかし缶クラは放電時間はそんなに必要なくて、とにかくピーク電流値が高い方が威力が出ます。そこでコンデンサの電圧を数kVにしたり、パルス放電特性の良いものを使ったりすることが多いようです。オイルコンはまさにそれで缶クラに向いています。電解コンでもできますが、あまり良くないと聞きます(実験してないので知らんです)

動画です。



2.8kV、250uFで1kJ近く投入しています。7セグのやつが電圧計です。
実はこのコンデンサ耐圧2kVなんですよね。

缶はこんな感じにへこみました。

DSC_2001

最近ドンパチしてなかったし久しぶりにやると楽しいです

コンデンサ充電用小型昇圧チョッパ

以前開発した昇圧チョッパプリント基板化してみました。
現在実質凍結状態の携行型レールガン用に作りましたが、普通にコイルガンやその他高電圧実験系でも遊べると思います。
出力は以前と同じ200Wで設計して回路構成の変更等もありませんが、パワー素子とコネクタ以外はすべて表面実装化して小型化を目指した感じです。

DSC_1881

部品を詰め込みすぎてシルクが潰れてしまってるので反省

こいつはメインのMOSFETとダイオードにSiC製品を使う予定でいるんですが、壊すと金銭的ダメージがヤバイので、とりあえず普通のシリコンのダイオード・MOSFETで試作してみました。コイルも仮のものです。
動作テスト中の様子ですが、いい感じに動いてくれません。

DSC_1886

原因はスイッチング時のノイズでマイコンあたりが誤作動してたようです。配線パターンの設計能力のなさを感じる...
MOSFETのゲート抵抗を大きくしてスイッチングノイズが小さくなるようにしてみましたが変わらず...
ダイオードのリカバリ電流が悪いんでは?と思って思い切ってをSiCダイオードに交換してみると、完璧に動いてくれてました。SiCすごいです。やっぱチョッパ系にはSiCショットキー最適なんですねぇ
マイコン9,10ピンをショートしてるのは仕様です。仕様です。

色々実験してるうちにメチャクチャ汚くなってしまったので

DSC_1893

新しい基板で作り直して完成です。

DSC_1907

見た目はいいよね!だいぶ気に入ってる
サイズは46x25x21mmで出力そのまま従来の約1/4以下まで小さくなりました。
まぁ大体はインダクタがつよいおかげです。インダクタンスも低いもの(15uH)にして小型化できました。マイコンの裏側にインダクタがあります(えぇ......)ガチ設計者から怒られるやつや
あとはどうせ数秒しか動かさないしそんな大きいヒートシンク要らないだろーーーーとかいって小さめのヒートシンクを使ったからです。とかいって多分30秒くらい動かしちゃって熱くなって壊しちゃうんだろうな(池沼) ガバガバ設計すぎる。
MOSFETとダイオードは基板と共締めしています。。
コネクタはマイコンへの書き込みと動作状態などの通信を兼ねています。穴がズレてるのはピンヘッダを差し込んだ時ガバガバせずにちょうどハマってくれるというものです。ぐりにゃんから教えてもらいました。


それで出力テストしてみると、どうがんばっても設計出力より20Wも低い180Wしかでないんですよ
実験してデータを取ると、出力電圧が200Vくらいのときには出力は何故か250W出るのに、380Vまで出すと180Wになってしまうことがわかりました。

↓実際のデータ コンデンサは1250uF
時間t[s]電圧V[V]エネルギーE[J]出力P[W]
0.120025250
0.226343.230625216.153125
0.331361.230625204.1020833
0.435076.5625191.40625
0.538190.725625181.45125

このことから多分インダクタのインダクタンス不足で十分に電圧が出力できてないんだと思います。(まぁ設計段階から薄々気づいてた)
試しに大きめのコイルで試してみたら普通に200W出てくれました。
それとノイズを抑えるためにゲート抵抗を大きくしたので、ドレイン電圧立ち上がりがぬるくなって一番美味しいところがうまく出力できてないというのもあると思います。
そんなこんなで現状で200W出すのは諦めました。今度もう少しインダクタンスの高いものを買ったら実験しようと思います。



出力は180Wで良いとして、とりあえず連続で負荷をかけてみると、5秒後くらいにMOSFETが壊れてしまいました。
3回くらいやらかして、今使ってるMOSFETは20A定格で普通にスペックが足りてないことに気づきました...
ということで30A定格のものを付けました。
TO-220パッケしか付けられない設計になってるのにTO-247パッケのものを付けたかったので無理やり外付けしました。

DSC_1964

再実験すると10秒以上動かしても大丈夫でした。

コンデンサ充電テストの動画です。緑のLEDは電源ランプで赤が動作中を示します。



コンデンサは360V2.5mFで162Jです。
電源ON後、数秒後に動作開始し360Vで動作停止するというプログラムにしています。
約900msで充電完了してるので大体180Wくらいですね。
発振周波数は約100kHzくらいで可聴域外ですが、どっかが共振してるのかしらんけどうっすらチュイーンって音が聞こえます(えぇ...)

あとはMOSFETをTO-220な強いやつにすればきれいに収まってくれそうですね。いやSiCMOSFETは買ってあるんだけど、壊すの怖くて使えないんだよね...
普通のMOSFETでも220パッケで600V40A近くの定格のものもあるので今度買おうと思います。もうMOSFETじゃなくてIGBTでもいい感じもするね
あとインダクタだね 小型で大電流でインダクタンス高めなのって売ってるかなぁ

進捗があったらまた記事書きます。
5000兆円欲しい!
Twitter
Twitterに大体います