なんとなくデカいIGBTモジュールを動かしたくなったので、ゲートドライバを作ってみました。
ゲートドライバとは、マイコンなどの信号(約5V)からMOSFETやIGBTを駆動するのに必要な電圧(10~20V)に単に増幅するだけのものです。また素子のG-S間にはコンデンサ成分(ゲート容量)があり、ゲートを駆動するにはこのコンデンサを充電したり放電したりという事が必要になってきます。この充電/放電を素早く出来れば、高速スイッチングが可能です。
一般的にゲート容量は素子のスペックに比例していて、小さなMOSFETなどではゲート容量が小さいのでトランジスタのプッシュプルやゲートドライバICなどで十分間に合います。例:IR4427など
しかし、このように大きなIGBTではゲート容量が大きく、そう簡単には駆動できません。
1200V400AのよくあるIGBTですね。なんでIGBTなのにゲート端子にBって書いてあるんだろう...パワトラ時代の殻使ったのかな
旧世代ということもあり、ゲート容量が72000pFとか書いてあります。一般的なMOSFETだと数百~数千pF程度ということを考えるとかなり大きいことがわかります。
こんなものを駆動したいので、パワーのあるゲートドライバを自作してみることにしました。
回路はFET研究室のKKT氏の記事そのままです。(ありがとうございました。)
KKT氏はGDTと介してドライブしているようですが自分は直でドライブしてみます。
こちらが作ったゲートドライバです。
基板裏に主役のプッシュプルMOSFET君が隠れていますが半田が汚いとか言って恥ずかしがってるので公開しません
写っているICはゲートドライバのゲートドライバです。ゲートドライバに使っているのはMOSFETそのものなのでこいつも一応ゲートドライブしてあげる必要があるのです。ゲートドライバのゲートドライバとかよくわかりませんね。
あとドライバ-IGBT間にゲート抵抗を入れるのを忘れててそのまま圧着端子つけちゃいました。まぁこれはこれでいろいろな値で実験できるのでいいです。
ゲートドライバは出来たのでテスト用信号を作るやつを作りました
レギュと矩形波を出すだけのマイコンが乗っただけでした。555でも作れそうですがマイコンのほうが簡単なので。
それでは実験してみます。
デカいIGBTなのにスイッチング周波数100kHzで動かしてやるぜー。D比は50%
写真ではゲート抵抗入っていませんが1.5Ω程の抵抗を入れました。
黄色:IGBTゲート電圧
水色:IGBTコレクタ電圧
全体
立ち上がり
立ち下がり
壊れたときが怖いのでコレクタにはまだ15Vしかかけていません。電流も1.5Aです。
なんとかうまくいっているようですね。こんなに重い(ゲートも物理的にも)物をよく動かせたものです。
ちなみに、こういった素子になるとゲートに+の電圧だけでなく正負の電圧を掛けてたりします。
今回は正負電源が用意できなかったので+15Vだけ掛けています。
ちなみにゲート電流はピーク10Aくらいでした。
ドライバに使ったMOSFETのゲート波形を見てみます。
赤:Pch側
青:Nch側
KKT氏の言っていた「ゲート抵抗と並列に接続しているダイオードがミソです。PchFETはOFFする際ゲート抵抗の効果を受けずに高......」というのはこのことですね。
素子の立ち上がりだけを遅くしておき、片方の素子がONになる前にもう片方が瞬時にOFFする、そのあとにONされるので貫通電流が流れないようになっているのですね。
でもこれちょっと貫通電流流れちゃってるかも?
波形は思ってた以上によかったです。このレベルの素子で100kHzはなんとか大丈夫そうですね。200kHzいけるかな...?(多分このIGBT最大でも20kHzくらいを想定してるはずなんだよなぁ)
ただ、MOSFETの発熱が意外と大きかったです(貫通電流の可能性あり)。放熱対策をしたり定数を調整したりする必要がありそうです。
ゲート抵抗も熱かったです。
電圧を上げて実験してみました。450V掛けてみます。
負荷抵抗10Ωのときです。計算上45A流れるはずです。
少しリンギング&サージがあります。負荷抵抗が巻線抵抗でアアーッインダクタンスッっていうのもありますがワニ口で乱雑配線してると言うのが大きいと思います
お次は5Ωで90Aです
電流が増えたのでさらに波形が酷くなりました。砂場もなにもついてないので仕方ないですね。
おまけです。
ゲート容量約5000pFのMOSFETをドライブしてみたときです。
IGBTに比べるとかなり速くスイッチングできてます。 さすがです
今のはゲート抵抗(1.5Ω)有りですが
無いと
ヤバイ波形になります。ゲート抵抗のありがたみがよくわかりました。
以上です。
ゲートドライバとは、マイコンなどの信号(約5V)からMOSFETやIGBTを駆動するのに必要な電圧(10~20V)に単に増幅するだけのものです。また素子のG-S間にはコンデンサ成分(ゲート容量)があり、ゲートを駆動するにはこのコンデンサを充電したり放電したりという事が必要になってきます。この充電/放電を素早く出来れば、高速スイッチングが可能です。
一般的にゲート容量は素子のスペックに比例していて、小さなMOSFETなどではゲート容量が小さいのでトランジスタのプッシュプルやゲートドライバICなどで十分間に合います。例:IR4427など
しかし、このように大きなIGBTではゲート容量が大きく、そう簡単には駆動できません。
1200V400AのよくあるIGBTですね。なんでIGBTなのにゲート端子にBって書いてあるんだろう...パワトラ時代の殻使ったのかな
旧世代ということもあり、ゲート容量が72000pFとか書いてあります。一般的なMOSFETだと数百~数千pF程度ということを考えるとかなり大きいことがわかります。
こんなものを駆動したいので、パワーのあるゲートドライバを自作してみることにしました。
回路はFET研究室のKKT氏の記事そのままです。(ありがとうございました。)
KKT氏はGDTと介してドライブしているようですが自分は直でドライブしてみます。
こちらが作ったゲートドライバです。
基板裏に主役のプッシュプルMOSFET君が隠れていますが半田が汚いとか言って恥ずかしがってるので公開しません
写っているICはゲートドライバのゲートドライバです。ゲートドライバに使っているのはMOSFETそのものなのでこいつも一応ゲートドライブしてあげる必要があるのです。ゲートドライバのゲートドライバとかよくわかりませんね。
あとドライバ-IGBT間にゲート抵抗を入れるのを忘れててそのまま圧着端子つけちゃいました。まぁこれはこれでいろいろな値で実験できるのでいいです。
ゲートドライバは出来たのでテスト用信号を作るやつを作りました
レギュと矩形波を出すだけのマイコンが乗っただけでした。555でも作れそうですがマイコンのほうが簡単なので。
それでは実験してみます。
デカいIGBTなのにスイッチング周波数100kHzで動かしてやるぜー。D比は50%
写真ではゲート抵抗入っていませんが1.5Ω程の抵抗を入れました。
黄色:IGBTゲート電圧
水色:IGBTコレクタ電圧
全体
立ち上がり
立ち下がり
壊れたときが怖いのでコレクタにはまだ15Vしかかけていません。電流も1.5Aです。
なんとかうまくいっているようですね。こんなに重い(ゲートも物理的にも)物をよく動かせたものです。
ちなみに、こういった素子になるとゲートに+の電圧だけでなく正負の電圧を掛けてたりします。
今回は正負電源が用意できなかったので+15Vだけ掛けています。
ちなみにゲート電流はピーク10Aくらいでした。
ドライバに使ったMOSFETのゲート波形を見てみます。
赤:Pch側
青:Nch側
KKT氏の言っていた「ゲート抵抗と並列に接続しているダイオードがミソです。PchFETはOFFする際ゲート抵抗の効果を受けずに高......」というのはこのことですね。
素子の立ち上がりだけを遅くしておき、片方の素子がONになる前にもう片方が瞬時にOFFする、そのあとにONされるので貫通電流が流れないようになっているのですね。
でもこれちょっと貫通電流流れちゃってるかも?
波形は思ってた以上によかったです。このレベルの素子で100kHzはなんとか大丈夫そうですね。200kHzいけるかな...?(多分このIGBT最大でも20kHzくらいを想定してるはずなんだよなぁ)
ただ、MOSFETの発熱が意外と大きかったです(貫通電流の可能性あり)。放熱対策をしたり定数を調整したりする必要がありそうです。
ゲート抵抗も熱かったです。
電圧を上げて実験してみました。450V掛けてみます。
負荷抵抗10Ωのときです。計算上45A流れるはずです。
少しリンギング&サージがあります。負荷抵抗が巻線抵抗でアアーッインダクタンスッっていうのもありますがワニ口で乱雑配線してると言うのが大きいと思います
お次は5Ωで90Aです
電流が増えたのでさらに波形が酷くなりました。砂場もなにもついてないので仕方ないですね。
おまけです。
ゲート容量約5000pFのMOSFETをドライブしてみたときです。
IGBTに比べるとかなり速くスイッチングできてます。 さすがです
今のはゲート抵抗(1.5Ω)有りですが
無いと
ヤバイ波形になります。ゲート抵抗のありがたみがよくわかりました。
以上です。