ぽんず製造所

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諸々

前回の記事でレールガンシミュレータを作ってみました.これにいろいろな値入れて遊んでいると,既存のレールガンを少し改造すると少し効率が上がるという計算結果が出ました.正しいかもわからない計算結果を信じながら,実際にレールガンの改造して試射してみました.

結論から言うと,改造前に比べて確かに効率は良かったが,それが本当に良くなっているのかよくわからない,という結果でした.
というのも
・改造前の実験データが5発分しかなく,今回の実験も3発しか行ってないので,サンプルが少なすぎて比較がしにくい
・効率向上はわずかで,改造によるものか,他の影響によるものかわからない
・配線の端子の錆びを掃除した影響で効率が上がった可能性
・アーマチャの形状・接触などが偶然良かった可能性
・その他諸々コンディションが良かっただけの可能性
・そもそもシミュレーション上でも効率向上はほんの少しなので偶然と見分けがつかない
などの理由が挙げられ,正直よくわからんのです.

ちなみにその時撃ったマトの写真
アルミ板(1mm)にアーマチャがめり込んで取れなくなって草

IMG_20200815_160108


IMG_20200815_160102

ベニヤ板にも撃ってみたところ,普通に貫通
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今回はレールガン本体のみを改造した結果であり,他にも少し改良できるところがあるみたいなので,早く試したいところです.
具体的な数値やレールガン本体の写真はまた今度で.


あと,家のテレビがぶっ壊れたんで一部の部品を拝借.
電源基板
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バックライト点灯用インバータ
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今までお疲れさまでした,まぁ部品取りにされた部品にはまだ頑張ってもらうけどな.


あとちゃんとした圧着工具を購入.
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JIS規格品ではない安ものですが趣味で使うには申し分なさそうです.早く買っておけばよかったですねー
圧着工具といいLCRメータといい早く買っておけばよかった案件が多すぎて,メキメキ音を立ててQOLが上がってるのを感じる.


今月はこんな感じでした.課題・レポートに追われて工作の進捗はあまり生むことはできませんでした.

レールガンのシミュレータを作ってみたかった

今までいくつもレールガンを作ってきたわけですが,いずれも勘と経験による設計で,どうすれば良くなるとかいう根拠はほとんどありませんでした.
勘に頼るのはそろそろ限界,というかやめたくなってきたし,どんな事が起こっているのかを知りたくなったので,理論の方から攻めていくことにしました.

まずは紙とペンで,レール内の磁束がどうとか,電流値がどうとか,理論を立てながら計算していきます 恥ずかしいのでモザイクで
IMG_20200801_131355

一応それっぽいのを出すことができましたが,最終的な速度を求めたりするとわけわからん微分方程式になっちゃうので,そのまま解くことは難しいです.非線形要素もあるしきついです.
そこで,これらをシミュレータに落とし込んで計算していきます.数値計算ならパソコンで解けます.

そのまえに,シミュレータなんて作ったことないし,練習ということで,簡単なLCR直列回路のシミュレータを作ってみました.Excelで作ってます.
EaAQbH_UEAAyOJV

適当に思いついた方法ですがそれっぽい波形を出すことができました.後で教えてもらったのですがこの方法はオイラー法というらしいです.
オイラー法は欠点が多いらしいですが,それ意外の方法が理解できなかったのでとりあえずはこのまますすめます.

同じようにしてレールガンシミュレータも組んでみました.
EaZDi_kU4AAl-x1

同時に,実測波形・速度も取ってきました.電流波形はロゴスキーコイルを作って取りました.
黄色(ch1)がコンデンサ電圧波形,青(ch4)がロゴスキーコイルの波形です.ロゴスキーコイルは微分値が出てくるので,積分してやると本来の電流波形(紫の波形)になります.
DS1Z_QuickPrint31

シミュレーション波形と実測波形を見比べて,ズレの原因を考えます.
ちょっとずれてるよねー
Ead-dr7U4AE34-G

その後も,実測値との差を確認→原因を考える→紙とペンで計算→シミュレータに落とし込み→...の流れを繰り返して精度を高めていきます.

レール内の磁束分布も知りたくなったので出してみたり
EcpVWjkVAAQ-H3Y

でも上の画像は計算ミス 多分こっちが正解
Ec4SgAmVcAI6voN

上のは二次元的なデータだったけど,更に細かく知りたくなって三次元にしてみたり
EdVW8ayU4AE2DNe

上のと同じデータだけど3D表示して遊んだり

そんな感じで改良を重ねていくうちに,今度は現実世界のパラメータを正確に入力する必要が出てきてしまって,LCRメータを買っちゃいました.
IMG_20200804_014957

アーマチャの位置によってインダクタンスが変わる様子.

最終的に,実測値とほぼ同じような波形・初速・効率が得られるようになりました(ホントは実測に合うようにパラメータを設定した感のほうが強い).
z

が,まだまだガバいところがあるし,忘れている要素もありそうだし,そもそも実測値も正しいのか微妙です.
とは言え,ある程度の傾向は見れるので使い物にならないことはなさそうだし,なにより作る過程で得たものが大きかったです.

オートトランス式昇圧コンバータの試作

今まで、バッテリーなどの低電圧からEML用の高圧コンデンサを充電する際には、主に昇圧チョッパを使っていました。
ヒステリシス電流制御を開発によって高出力も出せて使い勝手も良かったのですが、昇圧チョッパの原理的に、スイッチング素子には大電流を流す・出力電圧がそのまま掛かるため、大きな負担がかかっていました。
高耐圧の素子は一般的にオン抵抗(MOSFETの場合)が大きく、そこに大電流を流すとなれば、大きな損失が発生します。損失は熱になるので大きなヒートシンクが必要になります。小型化・高出力化が求められるEMLでは熱の問題はより厳しいものとなっていました。
高耐圧でも低オン抵抗な素子もあるにはあるのですが、値段がお高い&ドライブが大変なので実用的ではありません。
EMLでは12V→400Vなどといった高昇圧比ですが、正直こんな昇圧比かなりきついものがあります。

そこで今回試作したのがオートトランス式昇圧コンバータです。
IMG_20200619_040928

ググっても、使用例が少ないのか、ググり方が悪いのか、あまり情報が出てこなくて(あるにはある)正式名称もよくわかりませんでした(アナデバ曰く"タップ付きインダクタ昇圧コンバータ"だそうです)。
昇圧チョッパの派生のような回路で、インダクタにオートトランス(単巻変圧器)を用いています。フライバックコンバータの非絶縁な形とも見れると思います。トランスとして使ってる感じではないのでこの呼び方は微妙かもしれないです。

動作原理としてはほとんど昇圧チョッパと似たような形になります。




記事書いてたら眠くなってしまったのでまた後で追記します。

5月分

写真は今月の進捗状況です。

IMG_20200530_044308

残念ながら部品を壊しまくってしまい見せられるものがありません。
今月は異常です。

LGの電流引き抜きについての実験

気分転換しようと思いまして、去年作った多段式LGで遊ぶことにしました。乱雑にしまってあったんで結構断線してたり若干修理が必要でした。
IMG_20200401_161953

どんな回路だったか思い出すついでに基板の配線も見直してみたところ、電流検出の部分に配線ミスが見つかりました...。つまり以前の実験結果が全部おかしかったことになりますが、影響はそんなに無いようですし、どうせ今回実験し直すのでまぁいいです。

実験するにあたり、速度測定用の光センサを先端部分に追加しました。
IMG_20200402_201142



今回の実験では電流引き抜きの効果について確かめようと思います。電流引き抜きは私が勝手に読んでる名前ですが、それが何なのかは今から説明します。

まず、一番初歩的というか、簡単というか、よく見るというか、サイリスタまたはトライアックを用いた回路がありますよね。サイリスタ系は電流容量が大きめで入手性が良いのでよく使われます。
サイリスタ型
LGでは、プロジェクタイルが加速コイルの真ん中らへんに来たあたりで電流が止められれば、つまりは通電時間を変えられれば、引き戻しが発生せず効率が良くなるはずです。
しかし、サイリスタは自己消弧は不可能であり、通電時間の動的な変更ができません。(還流ダイオードがなかったらどうとか逆充電がどうとかは今回は割愛します...)
この回路の場合、通電時間はコンデンサの容量とコイルのインダクタンスや抵抗成分などで決まるため、それらを調整していい感じになるようにします。(なお実質変更できるのはコンデンサの容量のみなので、コンデンサを付けたり外したりして調整しているのをよく見かけます)


でもそんなの面倒くさい、通電時間を自由自在変えたいということで、スイッチング素子をMOSFETやIGBTなどの自己消弧可能な素子に置き換えたものが考案されました。
MOSFET型
パッと見通電を途中で切れる感じがしますよね。しかしよく考えると、素子がOFFしたところでダイオードを通って還流して結局のところサイリスタ型とやってることほどんど変わらないんですわ。ちなみにこのダイオードがなければ過電圧が発生して素子が壊れます。

両者の回路をシミュレーションしてコイル電流を見てみました。3msのところで電流を切ろうとしてます。
緑がサイリスタver、赤が途中で切ろうとしたverです。回路の抵抗成分で電流が減衰するのを待つのみで、切りたいところで切れていないのがわかります。
電流波形比較1


それで考案されたのが回生型回路です。今までとは違い2つ素子を使い少々複雑です。
回生型
両方の素子をONすることでコイルに電流が流れ、両方OFFで電流を切ります。OFF時のコイルの両端電圧はコンデンサ電圧と同じくらいになるので、コイル電流をスパッとゼロまで落とすことができるのです。黄色がその波形です。
電流波形比較2

他にもスパッとする回路はいろいろありますが今回は省略します。


このスパッとゼロまで持っていくことをを電流引き抜きと呼んでますが、実際のところどの程度効果があるのか確認してみたいと思い、実験することにしました。




実験の前に、使用した回路やコイルなどの装置の説明をします。
コイルは5段で、間に光センサ、先端の方には先程追加した速度測定用の光センサがあります。
本体

回路全体はこのようになっています。いわゆるフル回生型のものです。
全体回路図
主回路がA回路とB回路に分かれているのは、1段目を通電した直後に2段目を通電したいとか、2段同時通電とかをやりたかったからです。

回路の制御はマイコンで行います。電流の制御自体はマイコン内のオペアンプ、コンパレータ、ロジック回路などを使いハードウェア的に行い、どの段を何秒間動かすかなどの処理はソフトウェアで行います。
以下の画像がそのマイコン内の回路ですが、これがA回路用とB回路用の2セットあります。[ハイサイド制御]、[ローサイド制御]とローサイド素子(M2~M4)の切り替え部分がソフトウェア側で制御するところです。
内部回路図
この回路を組むと、加速コイルの電流を定電流制御することが出来ます。




実験方法について説明します。

今回は電流引き抜きなしと電流引き抜きありの2つの方法を比較するため、MOSFETの通電パターンを変えます。

まずは電流引き抜きなしの方です。
ハイサイド素子(M1)は、[ハイサイド制御]がHかつコイル電流が一定以下ならON、そうでなければOFFするようにし、ローサイド素子(M2~4)は[ローサイド制御]を常時Hとしていかなる時でもONにします(もちろん駆動する段によってM2~4のどれかを選ぶ形になります)。
[ハイサイド制御]をLにして通電を停止しようとしても、コイル電流はD1-コイル-ローサイド素子を還流する形で流れ、コイル両端の電圧も小さいため、比較的長い時間電流が流れ続けるはずです。
この動作は先述した"電流を途中で切ろうとしたけどうまく切れなかった回路"に相当します。

次に電流引き抜きありの方です。
ハイサイド素子(M1)の動作は電流引き抜きなしの方と同じです。ローサイド側の動作が先程と異なっており、通電を停止しようとすれば、[ローサイド制御]をLにしてローサイド素子もOFFになるようにします。するとコイル電流はD1-コイル-D2(~D4)-コンデンサバンクの形で流れることになります。このように流せばコイル両端の電圧が高くなるため、素早く電流をゼロにすることができるはずです。


以上がありとなしの差で、以下は両方同じとします。


コイル電流は約30Aで定電流制御し、なるべく電流の変動が小さいようにコンデンサは150V前後とします。


各段の通電は以下のように行います。
①センサ1が反応した瞬間、1段目を通電
②センサ2が反応した瞬間、1段目を停止、同時に2段目を通電
④センサ3が反応した瞬間、2段目を停止、同時に3段目を通電
⑤センサ4が反応した瞬間、3段目を停止、同時に4段目を通電
⑥センサ5が反応した瞬間、4段目を停止、同時に5段目を通電
⑦センサ6が反応した瞬間、5段目を停止
といった感じで通電させます。(コイル+センサ)の長さとプロジェクタイルが両方同じ35mmなのでこの動作で大丈夫なはずです。


速度の測定は、速度測定用センサの信号を直接オシロスコープで観測し、プロジェクタイルがセンサを通過する時間と、2つのセンサを通過する時間差を測定します。プロジェクタイルの長さもしくはセンサの間隔から速度を計算し、それらの平均を結果とすることにします。




実験結果です。

生データはこんな感じ。6サンプルずつしか無いですがさほど大きな差はないので大丈夫でしょう。
生データ

速度・効率の平均は以下の通りでした。

電流引き抜きなし
速度:14.77m/s
効率:7.65%

電流引き抜きあり
速度:18.20m/s
効率:12.33%


波形です。
CH1(黄色):速度測定用センサ1波形
CH2(水色):速度測定用センサ2波形
CH3(紫色):A回路電流波形(オペアンプを通した後)
CH4(青色):B回路電流波形(オペアンプを通した後)

電流引き抜き無し
DS1Z_QuickPrint149

電流引き抜きあり
DS1Z_QuickPrint1


CH2(水色)をコンデンサ電圧にして波形を見てみました。
電流引き抜きなし
DS1Z_QuickPrint152

電流引き抜きあり
DS1Z_QuickPrint3


電流引き抜きありとなしでは出力・効率ともに引き抜きありのほうが良いという結果がでました。余裕があるのであれば、電流引き抜き回路がある分に越したことはなさそうです。

電流引き抜きなしの電流波形を見ると、各段電流を止めようとしたところでグニョンと曲がっています。普通のコイルの場合はそのままだんだん落ちていく波形になるはずですが、途中で横ばいになったり、5段目に至っては電流値が一瞬上昇しています。プロジェクタイルが抜けていくことによってインダクタンス値が減少、代わりに電流値が上昇しているんだと思いましたが、プロジェクタイルの運動エネルギーが回生されてコイル側に返ってきているとも見えます。SRモータの回生動作と同じような感じがします。よく考えたらLGなんてリニアSRモータみたいな感じですしね。

今回の実験では「電流引き抜き自体に効果がある」ということを確かめることができましたが、それがどれくらい効くのか、確実に効くのかは、条件を変えて確かめる必要がありそうです。
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