前回の記事で3つ電源が必要でクソって話になりました
なんでそんなに電源が必要かって言うと、ハイサイドの電流検出をするために制御回路がハイサイド側にあるからです。 
ローサイドでハイサイドの電流を読めればややこしい回路にならずに済むので、方法をググってみるとオペアンプを使う方法があるようです。
しかしなかなか良さげなオペアンプが見つからない...
しばらく秋月を漁っているとこんなもの
ちと高いですが専用ICほどいいものはないので使ってみます。
ブレボで一旦動作確認をしたかったので変換基板にハンダ付け

CU4sHr4VAAAeb4J

簡単に回路組んで試験してみましたがいい感じに動いているようです。 
これでハイサイド側に制御回路を持ってくる必要がなくなり電源問題が解決しました。
ゲート電源はレギュレーターでいいや。うん。


制御回路側も新しいの組みたいなぁーーーーとか思って考えてたらマイコンで組めそうだということに気がついた
PICマイコンの中には「CLC」というマイコンの中に好きなロジック回路が組めるという機能があるものがあるのです。これを使えば簡単に回路を組めるのでは??
って思って秋月を漁ってみたらありましたよさ気なマイコン
PIC16F1705です

I-08578
(画像は秋月より)

こいつは なんとかアナログなんとかマイコン というもので、普通のマイコンよりアナログ機能が強化されています。値段も安いし性能・機能もいいのでかなり使いやすいマイコンです。ただ、14ピンじゃ若干足りない気もするが。
 
んでもってCLC, コンパレータ, ADC, DACなどを組み合わせてマイコン内部をこんな感じにした
36364
そのまんまマイコンに移植した感じです。
CLCにはSRラッチと、SとRが同時に1になるのはダメなのでそれを防ぐロジック回路、プログラムで動作したり停止したり制御できるロジック回路を組み込んでいます。これでも1モジュールでできてるってなかなかイイっすね
なんで最小電流VRは直接コンパレータにつながってないのかというと、VRが最小>最大になったときに動作がおかしくなることを防ぐためです。プログラムでDACに制限をかけて強制的に最小<最大となるようにしています。
あとはプログラム次第で色々できるね
まぁマイコンを使ってもほとんどペリフェラルに頼ってるのでプログラミング的要素は少ないです


回路ができたので基板を作った
今度はちゃんと設計して作ったよ!

CIMG0014
CIMG0013

裏には顔面実装のゲートドライバがついてます。
こんな感じでカッターでパターンを切って実装しました。

a4ac46ae-62c0-4398-c3d9-95c65eeb6881
(waifu2xて拡大しまくってみた)

マイコンのシリアル通信機能を使ってPCと通信できたりもします。
さすがに接続時はチョッパは動かしませんが。
とりあえず最大電流値と最小電流値を送ってみてます

CWAlPV_VAAAWSkY
無題1

最大電流は17A、最小電流は15Aくらいまで設定できます。


それでは本番です

CWAlQ_AVAAAFBPm


うまく動いているようです。
入力24V
コンデンサ360V3750uF
コイル電流設定値は画面のスクショのやつ
コイルは700uHのを使ってみました。定格7Aですが10A以上流しちゃってますwでも意外と大丈夫っぽい
入力平均240Wで出力は200Wくらいで前と変わりません。まぁ方式や電源が変わってないので当たり前だが
もっとでかい電源があったらもっと高出力にできるはず。

抵抗で負荷をかけて出力電圧を見てみました。
原理的に抵抗値を変えても出力電力は同じになるはずです。さてどうなるか?

50Ω
CIMG0016

75Ω
CIMG0017

100Ω
CIMG0018

125Ω
CIMG0020

150Ω 
CIMG0021

出力電力を計算すると

50Ω 241W
75Ω 221W
100Ω 216W
125Ω 212W
150Ω 217W

となり大体同じ電力になります。(・∀・)イイネ!!

スイッチング素子あたりがダバァしてたのでモジュール化しました
めちゃつよインフィニオンのMOSFETとはやくてかわいいダイオード

CIMG0015

端子間が近くて若干怖いッスね

基板もヒートシンクにネジ止めしてコンパクトにまとめてみた
コイルは固定方法が決まらずになんとなく乗っけられて放置されてます..........

CIMG0029

まぁいいんじゃね

それはそうと電流設定するときにいちいち外してPCにつけるのがめんどくさいんですが
LCDをつければ解決することに気がついた(今更)
しかしLCDをつけられる程度のピンが余っていなかったのでURAT-1602LCD変換基板を即席で作りました。

CIMG0024

ん?I2C接続のLCDをつかえばこんなの作る必要なかったじゃん?と記事書いてる途中で気づく
もう作っちゃったから仕方ないね、プログラム変えるのもめんどくさいのでこのまま使います
この画面を使うのは調節するときくらいで、実践では取り外すしあんまり問題ない


前の記事でも書いたけど、
コイルが15Aまでいけるけど電源が24V10Aでフルに活用できない→12V生地区でもっと電流流そうぜ→12V15Aでは24V10Aより電力が低い
ということでした。
なら生地区と電源直列にして36V10Aにしようということを考えたのですが、今度はハイサイド電流検出ICの耐圧がギリギリになってしまって結局意味がないのです。
どうしようかなぁーーーと寝ながら考えてたらローサイドで測れるっぽい回路を思いついたので次はその回路を作ってみます。 と言うかなぜいままでこの回路を思いつかなかったし......