ぽんず製造所

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実験

レールガンのシミュレータを作ってみたかった

今までいくつもレールガンを作ってきたわけですが,いずれも勘と経験による設計で,どうすれば良くなるとかいう根拠はほとんどありませんでした.
勘に頼るのはそろそろ限界,というかやめたくなってきたし,どんな事が起こっているのかを知りたくなったので,理論の方から攻めていくことにしました.

まずは紙とペンで,レール内の磁束がどうとか,電流値がどうとか,理論を立てながら計算していきます 恥ずかしいのでモザイクで
IMG_20200801_131355

一応それっぽいのを出すことができましたが,最終的な速度を求めたりするとわけわからん微分方程式になっちゃうので,そのまま解くことは難しいです.非線形要素もあるしきついです.
そこで,これらをシミュレータに落とし込んで計算していきます.数値計算ならパソコンで解けます.

そのまえに,シミュレータなんて作ったことないし,練習ということで,簡単なLCR直列回路のシミュレータを作ってみました.Excelで作ってます.
EaAQbH_UEAAyOJV

適当に思いついた方法ですがそれっぽい波形を出すことができました.後で教えてもらったのですがこの方法はオイラー法というらしいです.
オイラー法は欠点が多いらしいですが,それ意外の方法が理解できなかったのでとりあえずはこのまますすめます.

同じようにしてレールガンシミュレータも組んでみました.
EaZDi_kU4AAl-x1

同時に,実測波形・速度も取ってきました.電流波形はロゴスキーコイルを作って取りました.
黄色(ch1)がコンデンサ電圧波形,青(ch4)がロゴスキーコイルの波形です.ロゴスキーコイルは微分値が出てくるので,積分してやると本来の電流波形(紫の波形)になります.
DS1Z_QuickPrint31

シミュレーション波形と実測波形を見比べて,ズレの原因を考えます.
ちょっとずれてるよねー
Ead-dr7U4AE34-G

その後も,実測値との差を確認→原因を考える→紙とペンで計算→シミュレータに落とし込み→...の流れを繰り返して精度を高めていきます.

レール内の磁束分布も知りたくなったので出してみたり
EcpVWjkVAAQ-H3Y

でも上の画像は計算ミス 多分こっちが正解
Ec4SgAmVcAI6voN

上のは二次元的なデータだったけど,更に細かく知りたくなって三次元にしてみたり
EdVW8ayU4AE2DNe

上のと同じデータだけど3D表示して遊んだり

そんな感じで改良を重ねていくうちに,今度は現実世界のパラメータを正確に入力する必要が出てきてしまって,LCRメータを買っちゃいました.
IMG_20200804_014957

アーマチャの位置によってインダクタンスが変わる様子.

最終的に,実測値とほぼ同じような波形・初速・効率が得られるようになりました(ホントは実測に合うようにパラメータを設定した感のほうが強い).
z

が,まだまだガバいところがあるし,忘れている要素もありそうだし,そもそも実測値も正しいのか微妙です.
とは言え,ある程度の傾向は見れるので使い物にならないことはなさそうだし,なにより作る過程で得たものが大きかったです.

LGの電流引き抜きについての実験

気分転換しようと思いまして、去年作った多段式LGで遊ぶことにしました。乱雑にしまってあったんで結構断線してたり若干修理が必要でした。
IMG_20200401_161953

どんな回路だったか思い出すついでに基板の配線も見直してみたところ、電流検出の部分に配線ミスが見つかりました...。つまり以前の実験結果が全部おかしかったことになりますが、影響はそんなに無いようですし、どうせ今回実験し直すのでまぁいいです。

実験するにあたり、速度測定用の光センサを先端部分に追加しました。
IMG_20200402_201142



今回の実験では電流引き抜きの効果について確かめようと思います。電流引き抜きは私が勝手に読んでる名前ですが、それが何なのかは今から説明します。

まず、一番初歩的というか、簡単というか、よく見るというか、サイリスタまたはトライアックを用いた回路がありますよね。サイリスタ系は電流容量が大きめで入手性が良いのでよく使われます。
サイリスタ型
LGでは、プロジェクタイルが加速コイルの真ん中らへんに来たあたりで電流が止められれば、つまりは通電時間を変えられれば、引き戻しが発生せず効率が良くなるはずです。
しかし、サイリスタは自己消弧は不可能であり、通電時間の動的な変更ができません。(還流ダイオードがなかったらどうとか逆充電がどうとかは今回は割愛します...)
この回路の場合、通電時間はコンデンサの容量とコイルのインダクタンスや抵抗成分などで決まるため、それらを調整していい感じになるようにします。(なお実質変更できるのはコンデンサの容量のみなので、コンデンサを付けたり外したりして調整しているのをよく見かけます)


でもそんなの面倒くさい、通電時間を自由自在変えたいということで、スイッチング素子をMOSFETやIGBTなどの自己消弧可能な素子に置き換えたものが考案されました。
MOSFET型
パッと見通電を途中で切れる感じがしますよね。しかしよく考えると、素子がOFFしたところでダイオードを通って還流して結局のところサイリスタ型とやってることほどんど変わらないんですわ。ちなみにこのダイオードがなければ過電圧が発生して素子が壊れます。

両者の回路をシミュレーションしてコイル電流を見てみました。3msのところで電流を切ろうとしてます。
緑がサイリスタver、赤が途中で切ろうとしたverです。回路の抵抗成分で電流が減衰するのを待つのみで、切りたいところで切れていないのがわかります。
電流波形比較1


それで考案されたのが回生型回路です。今までとは違い2つ素子を使い少々複雑です。
回生型
両方の素子をONすることでコイルに電流が流れ、両方OFFで電流を切ります。OFF時のコイルの両端電圧はコンデンサ電圧と同じくらいになるので、コイル電流をスパッとゼロまで落とすことができるのです。黄色がその波形です。
電流波形比較2

他にもスパッとする回路はいろいろありますが今回は省略します。


このスパッとゼロまで持っていくことをを電流引き抜きと呼んでますが、実際のところどの程度効果があるのか確認してみたいと思い、実験することにしました。




実験の前に、使用した回路やコイルなどの装置の説明をします。
コイルは5段で、間に光センサ、先端の方には先程追加した速度測定用の光センサがあります。
本体

回路全体はこのようになっています。いわゆるフル回生型のものです。
全体回路図
主回路がA回路とB回路に分かれているのは、1段目を通電した直後に2段目を通電したいとか、2段同時通電とかをやりたかったからです。

回路の制御はマイコンで行います。電流の制御自体はマイコン内のオペアンプ、コンパレータ、ロジック回路などを使いハードウェア的に行い、どの段を何秒間動かすかなどの処理はソフトウェアで行います。
以下の画像がそのマイコン内の回路ですが、これがA回路用とB回路用の2セットあります。[ハイサイド制御]、[ローサイド制御]とローサイド素子(M2~M4)の切り替え部分がソフトウェア側で制御するところです。
内部回路図
この回路を組むと、加速コイルの電流を定電流制御することが出来ます。




実験方法について説明します。

今回は電流引き抜きなしと電流引き抜きありの2つの方法を比較するため、MOSFETの通電パターンを変えます。

まずは電流引き抜きなしの方です。
ハイサイド素子(M1)は、[ハイサイド制御]がHかつコイル電流が一定以下ならON、そうでなければOFFするようにし、ローサイド素子(M2~4)は[ローサイド制御]を常時Hとしていかなる時でもONにします(もちろん駆動する段によってM2~4のどれかを選ぶ形になります)。
[ハイサイド制御]をLにして通電を停止しようとしても、コイル電流はD1-コイル-ローサイド素子を還流する形で流れ、コイル両端の電圧も小さいため、比較的長い時間電流が流れ続けるはずです。
この動作は先述した"電流を途中で切ろうとしたけどうまく切れなかった回路"に相当します。

次に電流引き抜きありの方です。
ハイサイド素子(M1)の動作は電流引き抜きなしの方と同じです。ローサイド側の動作が先程と異なっており、通電を停止しようとすれば、[ローサイド制御]をLにしてローサイド素子もOFFになるようにします。するとコイル電流はD1-コイル-D2(~D4)-コンデンサバンクの形で流れることになります。このように流せばコイル両端の電圧が高くなるため、素早く電流をゼロにすることができるはずです。


以上がありとなしの差で、以下は両方同じとします。


コイル電流は約30Aで定電流制御し、なるべく電流の変動が小さいようにコンデンサは150V前後とします。


各段の通電は以下のように行います。
①センサ1が反応した瞬間、1段目を通電
②センサ2が反応した瞬間、1段目を停止、同時に2段目を通電
④センサ3が反応した瞬間、2段目を停止、同時に3段目を通電
⑤センサ4が反応した瞬間、3段目を停止、同時に4段目を通電
⑥センサ5が反応した瞬間、4段目を停止、同時に5段目を通電
⑦センサ6が反応した瞬間、5段目を停止
といった感じで通電させます。(コイル+センサ)の長さとプロジェクタイルが両方同じ35mmなのでこの動作で大丈夫なはずです。


速度の測定は、速度測定用センサの信号を直接オシロスコープで観測し、プロジェクタイルがセンサを通過する時間と、2つのセンサを通過する時間差を測定します。プロジェクタイルの長さもしくはセンサの間隔から速度を計算し、それらの平均を結果とすることにします。




実験結果です。

生データはこんな感じ。6サンプルずつしか無いですがさほど大きな差はないので大丈夫でしょう。
生データ

速度・効率の平均は以下の通りでした。

電流引き抜きなし
速度:14.77m/s
効率:7.65%

電流引き抜きあり
速度:18.20m/s
効率:12.33%


波形です。
CH1(黄色):速度測定用センサ1波形
CH2(水色):速度測定用センサ2波形
CH3(紫色):A回路電流波形(オペアンプを通した後)
CH4(青色):B回路電流波形(オペアンプを通した後)

電流引き抜き無し
DS1Z_QuickPrint149

電流引き抜きあり
DS1Z_QuickPrint1


CH2(水色)をコンデンサ電圧にして波形を見てみました。
電流引き抜きなし
DS1Z_QuickPrint152

電流引き抜きあり
DS1Z_QuickPrint3


電流引き抜きありとなしでは出力・効率ともに引き抜きありのほうが良いという結果がでました。余裕があるのであれば、電流引き抜き回路がある分に越したことはなさそうです。

電流引き抜きなしの電流波形を見ると、各段電流を止めようとしたところでグニョンと曲がっています。普通のコイルの場合はそのままだんだん落ちていく波形になるはずですが、途中で横ばいになったり、5段目に至っては電流値が一瞬上昇しています。プロジェクタイルが抜けていくことによってインダクタンス値が減少、代わりに電流値が上昇しているんだと思いましたが、プロジェクタイルの運動エネルギーが回生されてコイル側に返ってきているとも見えます。SRモータの回生動作と同じような感じがします。よく考えたらLGなんてリニアSRモータみたいな感じですしね。

今回の実験では「電流引き抜き自体に効果がある」ということを確かめることができましたが、それがどれくらい効くのか、確実に効くのかは、条件を変えて確かめる必要がありそうです。

新型モハラジオ案(失敗)

VVVFインバータなどの音などを聞くことができるモハラジオ(http://www.moha-radio.org/)というものがあります(詳しくはHPを御覧ください)。
モハラジオはVVVFインバータやモータから発生する磁界を検出して音声として得る仕組みになっています。そのため、車内の話し声などに影響されず、純粋にVVVFの音だけ得ることができるわけですね。


さてここで、本家では磁界を検出していますが、電界からの検出もできないかと考えました。
特にメリットも無さそうな感じもしてましたがまぁとりあえず実験してみました。


結論から言うとほぼ無理でした。


回路図
Untitled
2つのアンテナで信号を取得、差動増幅回路で両者の差分を得るようになっています。

実物
試作&定数を変えまくる&実車で扱えるようにした結果がこれです。ひどいけど許して
DSC_3897


結果
写真は自宅でVVVFインバータを動かして得た波形です。
D9mypUFU4AEXh9c
DSC_3895

青、ピンクがアンテナ直接の波形です。うねうねしてるのがハム成分でカクカクしてるのがVVVFの成分です。で、その差分が紫です。ちょっと打ち消しきれてないですがまぁいいでしょう

アンテナは針金、金属板などいろいろ試してみましたが、本質的にはあまり変わりませんでした。感度が変わるくらい。
アンテナ同士の距離もいろいろ試してみました。ハムが打ち消せればいいのでハム成分が同程度になるような場所を探しました。


というわけで少なくとも何かが取れることがわかったので実車にて録音してきました。がほとんど取れませんでした。スペクトルを見ながら録音してたのですが、うっすらこれVVVFの音...?みたいなのが現れた程度です。


もうすこし実験を重ねれば改善されるかもしれないですが、そんなことするくらいなら既存のモハラジオできれいに取れるようにしたほうが良さそうです。

3Dプリンタを使ってみた

VVVFインバータで音楽を演奏してみました。



制御ボードをPCに接続すると、MIDIデバイスとして認識され、MIDIの演奏ができます。

MIDIVVVF

原理としては搬送波の周波数を変えているだけです。ドレミファインバータの音を音楽でやってるようなもんです。
とりあえずやってみたかっただけなのでピッチベンドとか入れてないし3和音までしか出せません。まぁ和音は音が汚くなったり、音が出にくくなってしまうようなのであまり良くはなさそうですね。


さて、学校に3Dプリンタがありまして、教員にお願いしたら使わせてもらうことが出来ました。
とりあえずテスト印刷してみました。

DSC_2320
DSC_2322

うまく出来てるようです。
普通に使えそうなことがわかったので、三相モータの軸に装着する何かを作ってみました。

motor

結構ピッタリハマって気持ちがいいです。フル回転させると遠心力でぶっ飛んできそうで怖いですがまぁなんとか大丈夫みたいです。


レールガンのマガジンも試作してみました。以前もマガジンを試作してみましたが、安定性がなさすぎて使い物になりませんでした。3Dプリンタならば複雑な構造のものでも作れるので、小型で安定なものを作ることが出来ました。

DSC_2353


バネでスライド部が押されて弾が安定するようになっています。そして外部から棒で押してやると1個ずつ出てくるようになっています。
3Dプリンタ特有の凸凹でスライドとかは厳しいかな?と思いましたが出来なくもないようです。
前のものと比べるとかなり良くなりましたが、まだ改善できる箇所がありそうです。

パーツクリーナーでフラックス洗浄

少し前に学校の方でプリント基板を作る機会があり、余ったスペースで小型のPICerFTを作ってみました。どうせ学校でも使うから問題ないよね(?)

DSC_1107

インダクタ以外は全てチップ部品になりました。また、原作のようなFT232RLモジュールを使わず、基板に直接FT232RLを実装しています。さらにトランジスタ類はMOSFETに変更して部品の省略なども行いました。あとは少々回路を変更したり...
おかげでサイズは基板のみで33x15.5[mm]くらいに収まりました。

動作確認

DSC_0768

電源が入ってる時は緑LED、書き込み時などに赤LEDが点くようにしました。
DSC_1114

正常に動作したようです。
動作したは良いんだけど、基板がフラックスで汚い

見た目的にも汚いですし、触るとベタベタするので、フラックスの洗浄しようと思います。
「フラックス 洗浄」等で検索すると、専用のフラックス洗浄剤を使う方法と、パーツクリーナーなどを使う方法が見つかりました。
専用の洗浄剤は少し高価なので、今回はパーツクリーナーで洗浄してみようと思います。

こちらが使用したパーツクリーナー、Twitterでオススメしてた方がいらっしゃったので買ってみました。

DSC_1103

これを基板にブシャーーーーーーーーーーーと結構大胆にぶっかけました。電子機器だからと言って躊躇してチョロチョロかけるとうまく落ちませんでした。
ぶっかけたら、適当なブラシでゴシゴシします。私は歯ブラシを使用してみました。




No Image



写真取ってません

水道に廃液を流すのはヤバそうな気がしたので、ウエスなどで拭き取りました。白い汚れが残る場合があるので濡らしたウエスとかで拭き取ってもいいと思います。

キレイに洗浄するとこんな感じです。下が未洗浄品、上が洗浄品。

C3WcxpDUEAEnrWp

写真では伝わりにくいかもしれませんが、かなりきれいになっています。

ただし、この方法では液体に弱い部品(電解コンや半固定抵抗など)が実装された基板には使えないかもしれません。(ほぼ部品を実装して洗浄した後に弱い部品と実装するということをすればいけるかも)
また、ブラシで擦ると剥がれてしまうような部品には注意しないといけません。

フラックスを洗浄するととても綺麗になるのでおすすめです。特に外から直接見える基板や、展示する基板などは綺麗な方がいいですし、積極的に使っていこうと思います。
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